悠久のシャングリラ
『あとは、隼人……。
どこに行ったんだろう……?』
『……すぅ……すぅ……』
『ん? いた! 隼人!』
『…すぅ……すぅ……』
『…なんだ。 寝てるのか……。
ん? これは……』
本好きの隼人が、本を読んでいるときに
寝落ちなんて珍しい。
何か物語を書くときのヒントでもあれば。
そう思って、隼人の手からこぼれ落ちた
本を拾い上げる。
《 血継限界 〜記憶をなくした男達〜 》の
タイトルの本だった。
(記憶を……なくす、か……)
ファンタジーと言ったら、
異世界のイメージが強い私は、
そこに記憶をなくす設定も取り入れることにした。