悠久のシャングリラ
『ねぇ、隼人は物語の最後、
幸せか悲しいのか、どっちの方が好き?』
『……さぁ、どっちかな。
そういうのは、自分で決めたらどう?』
『え?』
『物語。 書くんでしょ』
『! し、知って……!?』
『咲夢梨はわかりやすいから、
すぐ顔に出るんだ。
まあ、気づいてるのはボクくらいだし、
安心したらいいよ』
『……うん』
隼人の両親と私の両親は、
高校の頃からの知り合い同士。
だからその両親の子供である私たちも、
生まれた時からずっと一緒だった。
幼なじみ、というやつ。