悠久のシャングリラ
この服の下にはきっと、
睡蓮の部屋で見た、あの黒ずんだ腕が……。
きゅっと痛くない程度に力を込める。
睡蓮の手の甲を、
自分のおでこに当てた。
元に戻りますように、と
強く強く願いながらーー。
「……心配しなくても、
だいぶ楽になってきたよ」
開いていた反対の腕で、
優しく頭を撫でてくれた。
小さい頃もよくこうして、
頭を撫でてもらっていたものだ。
やっぱり私は、
この温かい手にすごく安心する。
その安心からか、つい頬が緩む。
睡蓮は、そんな私を見て、ふっと笑い
こう付け足した。