悠久のシャングリラ

自覚した甘い気持ち



「なんか、呆気なく手に入ったよなぁ」


鈴蘭が天井に向かってかざしたもの。

それは、さっき化け物を倒した時に
側に転がっていたステンドグラスの欠片。

私たちが探していた、あの欠片だった。

残り二つ……そうクイナに告げられてから
時間はかなりかかってしまったけど。

こうして無事に一つを見つけ、
私たちは部屋に戻ってきていた。

残りは、一つ。
あと一つで、私たちは出られる。


「じゃ、早速これに埋め込んでみてよ」

「ほら。 早く早く!」


桜と藤に急かされ、
鈴蘭はニヤリと笑ったあと、
タマゴ型の置物に欠片をはめ込んだ。

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