悠久のシャングリラ


「大丈夫ですよ、桔梗!
だから一緒にお昼寝しましょう!」

「……はぁ」


聞こえるくらい大きなため息なのに、
心から嫌がっている風には感じない。

私は桔梗を引き寄せ、
自分の横に横たえさせた。


「桔梗とお昼寝。 楽しみです!」

「まったく……」


そう言いながらも付き合ってくれるあたり、
やっぱり桔梗は優しい人だ。


桔梗ーー瑠璃は、いつも優しかった。


照れ屋なところがあって、
きつい物言いもしてしまうけれど。

誰よりも心は繊細で、
人一倍傷つきやすい性格をしているのだ。

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