悠久のシャングリラ
『な、何がおかしいの!?
まさか……記憶が無いのは君たちのせい!?』
『それは誤解です。 お客人』
『言いがかりです。 名無しのお客人』
示し揃った言葉遣いが、
より奥の脳内まで届き広がる。
『なら、僕たちをどうする気?
このままこの呪いの館と一緒に殺すとか?』
『……我が主の館を呪い扱いとは。
これだから、下衆の人間は……』
『主ちゃんのことを悪く言うと、
生きてここから出られませんよ?』
口調は変わらないのに、
どこか冷たい空気が体を包んで。
あれは、背筋がゾワッとしたな……。
あの子たちが言う【主】は、
結局聞いても答えてくれなかったが。
大事にしているって印象は受けたな。
この館に迷い込んだのは、
俺たち二人の他に、あと五人いると言っていた。
そして、この館から出るには……。
その五人を見つけ、仲間にすること。
散りばめられた
ステンドグラスの欠片を集めること。
そして、そのステンドグラスに、
願いを叶えてもらうことだったーー。