悠久のシャングリラ


「百合……眠れそう?」


隣から小さく呟かれた、睡蓮の声。


「え! あ、は、はい……」


いきなりで驚いてしまって、
声が不自然にどもってしまった。

その恥ずかしさ故に、
顔がほんのり熱くなる。

それを見られないように、
首を縮こませた。


「……顔が赤くなってる。
もしかして、照れてる……?」

「………」


「はい」とも「いいえ」とも言えず、
視線を逸らし押し黙る。


「ーーそんな顔も可愛い。 ……とっても」


なんとなく注がれる視線に熱がこもった気がして、ますます頬が火照った。

< 152 / 306 >

この作品をシェア

pagetop