悠久のシャングリラ
布団から見え隠れする、
骨のようにやせ細った体。
血が通っていないような白い肌。
まるで女みたいだと、
弱い体と合わせて嫌いだった。
(それにこの時、たしか僕は……)
『朝食が終わったあとは、
今日もこのお薬飲みましょうね』
『そんなの飲んでも治らない。
僕はーー桜が咲く頃には死んでるんでしょ』
『! ……そ、そんなこと……』
『変な慰めはいらないから。
聞いちゃったんだよ……、話しているの』
そう。
この頃の僕は、桜を見れるか見れないかの瀬戸際に立たされていた。
知った時は衝撃的で、
しばらく理解出来なかった。