悠久のシャングリラ
指輪で武器召喚
「……これらの条件が、
この館から出る方法らしい」
二人の小さな子ども。
彼らが語っていた【主】の存在。
おそらくその子たちは、
全てを知っているのだろう。
この館にいる限り、
これから会うこともあるかもしれない。
「ついでに伝えると、
藤が使ってた刀は、この指輪をはめて……」
そう言って、桜は棚から持ってきた指輪を
親指と人差し指にはめ込んだ。
金色の鎖で繋がっている、
不思議な形をした二つの指輪。
ピンク色の宝石がはめ込まれて、
部屋の電気の光を受けて輝いている。
「頭の中で、武器を想像する……」
桜が目を瞑って、ほんの数秒後。
彼の手のひらが淡い青色に包まれーー。
桜の身長くらいはある戦斧が出てきた。
「ーーこんな感じでね」
見た目が重そうなそれを、
桜は軽々と持ち上げてみせる。