悠久のシャングリラ


とにかくそれからは、
仲良かったのが一変して、
陰口を言われるようになっていった。


(自分でいうのもなんだけど、
情けないよなぁ……)


ベッドで突っ伏してひねくれている自分を
第三者の気持ちで見守り続けて
どれくらい経っただろう。

どうせ向こう側からは聞こえやしない。

そう思っていても、
声を出してこう告げていた。


「大丈夫。 このあと、
おれにとっては【奇跡】が起こるから……」


そう。
あの出会いは、おれにとって奇跡に等しい。


暗闇のそこから引っ張りあげてくれた
あの小さな可愛らしい手がーー。

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