悠久のシャングリラ
「わたしが決めることではないけれど」
……それでも、この【目】は全てを見通す。
それ故に、彼らがここに来た経緯、
そこに至るまでの過去を知っている。
どれだけ心が泣いていたのかも、
わたしは知っていた。
世界に絶望し、
全てをなかったことにしたいと願ったことも。
心に広がって
拭いきれなくなっている後悔も。
自らに課す、重い罪と罰も。
ここへ逃げてきたこともーー……。
「……しかし、今回はどうかな?」
きっと今回は、そうもいかないだろう。
隠したくてもーー隠そうとしても、
知らなかった頃には戻れない。
そして知ってしまったら最後、
きちんと向き合わないといけないのだから。
「すべてを知ったきみたちが、
闇に呑まれないことを……願っているよ」