悠久のシャングリラ
全ての部屋がステンドグラスで出来た中に響く、木霊たちが揃って歌う癒しの歌。
聞く人が聞けば、奇跡の歌にも、
……破滅の歌にも聞こえるのだろう。
天使の羽が生えたキューピットが
ラッパを鳴らし、終焉を伝えたとき……。
それは、この物語が終わる瞬間。
……ここは、
始まりであり終わりである【主】の部屋。
偽りの世界に隠された、
真実への扉がある場所ーー。
「刻(とき)は今ーーここに来たれり」
「我が主の名のもとに」
「全ての真実を伝える時ーー」
「「いざ、参らん!」」
二つの掛け声とともに、
部屋の仕掛けが動き出す。
歯車が廻るーー運命の足音が、
近づいてくる音が響き渡った。
「…………」