悠久のシャングリラ


腕を組み考え込む。

みんなは過去の幼い自分に合わせて、
どうしてこの【花】の名前になったのか。

その理由が
わかるような内容だと言っていた。


でも私が夢の中で見たのはーー。


(もっと深く……暗い闇で、
誰かが泣く声……だったような……?)


私は暗闇に一人立っていて。

その場所に届くようで届かない声が、
いくつも聞こえ、泣いていたのだ。


「どうして」「どうして」と繰り返して。


幼かったり、大人だったりで、
あべこべの声が心をかき乱した。

息が苦しくて、
私まで泣きたい気持ちになる。


(あれは一体、なんだったのでしょうか……)

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