悠久のシャングリラ
「ーー合。 百合!」
「! な、なんですか?」
思考の波にさらわれそうになった時、
横から心配そうにしている桔梗の顔が覗いた。
「ぼーとして、何かあったの?
心配事とか……」
「な、なんでもないですよ!
それより欠片! あと一つの欠片を
早く見つけてしまいましょう!」
まくし立てるように早口で言う。
みんなも私の言葉に同意した。
「そうだな。 さっさと見つけて、
こんな館出ちまおうぜ!」
「そう簡単にいけばいいけど」
「なんでオマエはそう
ネガティブなんだよ! 鳳仙!」
「ネガティブなつもりはない。
ただ事実としては有り得るから言ったの」
「はぁ……」
重いため息とともに、
鈴蘭がわざとらしく肩を落とす。
私はなんとも言えない心地で、
苦笑を浮かべるしかなかった。