悠久のシャングリラ


「そういえばあたし、
気になることがあるのだけど……」


桔梗にしては珍しく、
遠慮がちに手を挙げた。

みんなの視線が自然と桔梗に集まる。


「百合が見つけた、動く壁よ」

「は? そんなの、見つけてたのか!?」

「あ……は、はい」

「あたしも遠目だったから
場所までは覚えていないけど……」


桔梗は一旦そこで言葉を切ると、
みんなの顔を見渡した。


「その先に行ってみる価値はあると思うわ」

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