悠久のシャングリラ
深刻さが滲む声色に、
全員の息を呑む気配が伝わってきた。
「私も、
行ってみる価値はあると思います」
どうしてか導かれた気がするのだ。
あそこの部屋には行かない方がいい。
ーーけれど行かなければならない。
そんな曖昧な気持ちに囚われながらも。
おずおずと進言してみると、
みんながお互いの顔色を伺う。
そして、一つ頷いた。
こうして隠されていた壁を動かしに、
最後の欠片を求めてーー。
私たちは揃って部屋を後にしたのだった。