悠久のシャングリラ
「……なぁ、あれ……。 宝箱、だよな?」
鈴蘭が自信なさげに指をさす。
その場所には、いかにも
お宝が入っていそうな箱が置かれていた。
「……なんか、こうあからさまだと
疑いたくなるわね……」
「……そう、だね」
「これで中身が【欠片】だったら、
笑えてくるぜ」
そう言ってスタスタと歩いていった鈴蘭が、
宝箱に手をかけ、鍵もかかっていない重い蓋を持ち上げた。
その中身はーー。
「……………………欠片、だな」
キラキラと自分を主張するように光る、
探し求めていた最後の欠片だった。