悠久のシャングリラ


それから……。

「そんな指輪はめたくないわ!」と、
叫んでいた桔梗をなんとか説得し。

彼女も自分の武器を手にすることができた。

彼女が創造したのは、弓と矢。

これもまた大きくて、
弓は彼女の身長を軽く超えていた。

そして彼女自身も、
終始落ち着かない様子だったが、
観念したのか、武器の存在を認めた。

手の中に現れて現実味が帯び、やっと。
………という感じだったけれど。


「それじゃ、
手始めに化け物でも倒しにいくか!」

「え?」

「はぁあああ!?」


いきなりの提案に、
私たちは武器から目を離し、
二人並ぶ藤と桜を見やった。


「大丈夫だ! 俺たちがついているぞ!」

「嫌ったら嫌!
ぜっっっったいに嫌!」


化け物退治と言われ、
荒れている桔梗をなだめようと声をかける。

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