悠久のシャングリラ





その気の緩みーー脱力感がいけなかった。


「きゃっ」


小さな悲鳴に顔を上げると、
あたしの手のひらをすり抜け……。


今度は咲夢梨が、
氾濫した川に落ちていくところだった。



「………さ、咲夢ーー」

「咲夢梨!!!!」



やっと追いついた隼人を嘲笑うように、
もう咲夢梨の体はどこにあるのかすらわからなかった。

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