悠久のシャングリラ


(……私……私、はーー)


みんなはまだ、倒れたまま起き上がらない。

深く眠っているのだろう。

ゆっくりと起き上がり、
周囲を見渡した。


(そうだ。 私………)


頭が霞みがかって何もわからない。

ただ、体だけは答えを探していた。



帰らないと。



ーーどこへ?



早く戻らないと。



ーーなんで?



あの場所に行かないと。



ーーどうして?



頭が混乱して、混乱して、混乱して……。


私は自分自身の体を抱きしめるようにして、
震える全身を押さえつけた。

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