悠久のシャングリラ
「ーー【どうした】?
オマエが、それを聞ける立場か?」
「……え」
地の底から響くような闇を纏った声が、
まるで背筋をなぞるように届く。
恐る恐る振り返ると、
ゆらゆらと力なく立っている睡蓮。
片方の腕からは、
黒い炎が蛇のように巻きついていた。
「す、睡蓮? どうしーーーっ!!?」
カッと目を見開いた睡蓮に、
突然首を強く絞めつけられる。
離してもらおうと彼の手首に手を添えるが、
男と女の差のせいかビクともしなかった。
ゴリッという音と共に、
顔が熱くなっていく。
血が巡らず、自分でも感覚でわかるくらい
血管が浮かび上がっていた。
明確な殺意に、背筋がゾッとする。