悠久のシャングリラ
「オマエだけ何も思い出さなかったとは
言わせない。 ……オマエも見たはずだ!
あの欠片が見せた消えない【罪】をな!」
「ぐっ……!」
「ボクは絶対、オマエを許さない!
オマエのせいで……、オマエのせいで!!」
視界がぼんやりしてきた時、
後ろから藤が止めに入ってくれた。
ひゅっと空気が気道を通り、
けれどいきなりで思いっきりむせてしまう。
「やめろ! 落ち着け、睡蓮!」
「オマエは平気なのか、奈琉。
コイツのせいで咲夢梨はーー!」
怒りの炎が、身を焼き尽くすように、
今にも燃え広がりそうだった。
あたしは動くことも立ち上がることも出来ず、ただ震えながら二人の動向を見つめていた。