悠久のシャングリラ
「……あたし、は……」
「さっき見たはずだろ。
オレたち七人の【最後の日】をさ」
傍にいた鈴蘭が、立ち上がりながら呟く。
(……最後の、日……?)
その刹那、後ろから鈍器で殴られたような
衝撃を受けた。
ーーそうだ……あたしは見たはずだ。
見たくなかったけど、
思い出したくなかったけど。
過去の記憶が波のように押し寄せてくる。
「あ…あ……ああぁ」
希望だった欠片が見せた絶望。
こんなもの、失くしていた方がマシだった。
目の前が真っ赤に染まり、
幻覚だとわかっているのに……。
自分の手が汚れている気がしたーー。