悠久のシャングリラ




「いやあああああああああっ!!」



汚い、汚い、汚い、汚い、汚い。


……黒く塗りつぶさせれていく。


思い出したら戻れなくて、
あたしは頭を抱えてうずくまった。


(……あたしは、穢れている……。
穢れて……醜い……)




どうして忘れていたのだろう。



あたしの【罪】は、
忘れていいはずのものではないのに……。



「あああ…ああ……あ…あ…………」



闇に、沈んでいく。


もがけばもがくほど泥沼にはまり、
一人で抜け出すことが不可能な闇。



手を伸ばしても、誰も掴んでくれない。


(……当たり前か。
だって、あたしは……罪人なんだから)

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