悠久のシャングリラ
『ーー大丈夫。 落ち着いて、瑠璃』
(……?)
その手が【誰か】にしっかりと握られ、
光指す向こう側へと引っ張られる。
目に染みる光が溢れた刹那、
またあの優しい声があたしの耳に届いた。
『貴方は悪くない。
……【罪】なんてないんだよ』
「……まさ、か」
掠れた声で、声の主の名前を呼ぼうと、
唾を飲み込んでから口を開ける……。
けれどその瞬間、目の前に備え付けられた
大きな扉が爆発とともに吹き飛んだ。
口を開け、呆然と見ていると。
「やっと、思い出したのですね」
「やっと、辿り着いたのですね」
あたしたちの前にたまに現れていた、
あの双子が立っていた。