悠久のシャングリラ
最終章 ハッピーエンド
ネジの外れた歯車は、
徐々に歪みを生み出していき……。
やがて完全に動きを止めた。
たとえ誰かが強く願ったとしても、
もはや変わりようのない世界の理。
一つの歯車が止まると、
周囲はそれに巻き込まれていく。
それはさざ波のように広がっていき、
ーー彼らの世界は刻を止めた。
それと同時に、深い絶望が刻まれていく。
感情の糸は無数に絡まり、
解くことはできなくなっていた……。
ーーハッピーエンドで終わる本がある。
困難が訪れても、
最終的には主人公が幸せを掴む話。
それはとても温かくて、胸が踊って、
笑顔で花が咲き誇るような物語だった。
しかし、こうも考えられないだろうか。
人の数だけ物語があるように……
人の数だけ、
幸せの【形】があるのだとーー。