悠久のシャングリラ


「隼人! 瑠璃! 誠斗! 亜紀ちゃん!」


声を上げる。 ……ただひたすらに。



「奈琉! 圭介! いないの!?」


怖かった。
……みんなが傍にいないことが。

悲しみも困惑も動揺も、
激しい一つの感情の塊となっていく。

一つの、混濁した塊を胸の奥に作り出した。


(……嫌だ)


思ったのは、ひどく単純。


(嫌だ……、一人ぼっちなんて嫌……)


心細い思いが風船のように膨らんでいく。

それは決して割ることなく、
私の心臓を圧迫していった。


(そんなの耐えられないよ……!)

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