悠久のシャングリラ


ーーそれから、
何時間、何日、何ヶ月、何年と過ぎたのか。



私は時を刻むことを放棄し、
闇の中での【居場所】を求め歩いていた。

不思議とお腹も空かず、喉も乾かない。

いくらでも、好きなだけ……
満足するだけ歩き続けることが出来た。

それだけを救いに思いながら……。





ーー結局。

私の求めていたものは見つからなかった。


「……ふふっ。 ふ、ふふっ……」


乾いた笑いがこぼれる。
……別に笑いたいわけでもなかったのに。


「あははははははっ!」


そう自覚しながらも、
なぜだか止まらない……止められない。


血の涙のような、生温かいものが流れても、
私はゲラゲラと笑い続けていた。


その雫は顎を伝い、
最終的には闇へと吸い込まれていく。

それでも一人お腹を抱えて、
面白いテレビを見ているように笑った。

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