悠久のシャングリラ


「ははは、はは……は……」


私は今まで何をやっていたのだろうか。

何を信じて歩いていたのだろうか。

何を探して、求めていたのだろうかーー。


「………」


こんなのは、あまりにも滑稽ではないか。

上かも下かもわからない場所を見つめて、
自分の耳障りな笑い声も、黒い感情も、
全てが初めからなかったように静まった。

何故かとても、心が落ち着いている。

そして私はまた歩き出した。
自分がさっきまで、壊れた人形のように。



ーー笑っていたことも忘れて。

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