悠久のシャングリラ


「それでも、……磐座。
私はみんなに会いたい。
会わないといけない気がするの」



ずっと鳴り止まない、遠い泣き声。

子供だったり、少し成長した大人だったり。

その声は男女と、
均一ではないけれど。

何故か、みんなが泣いている。
そんな風に感じたのだ。


「望みのままに。 ーー我が主」


こうして私たちは、
まず【地盤】作りから始めることにした。



磐座の言うことは難しかったけど、
要は土台を作ってしまえということらしい。


私はその【土台】を、
あの日渡すはずだった本を媒介とした。

本の内容に沿って、建物を構築し、
物語と同じようにシナリオを進める。

そうすることで、
長い時間を要することも
短時間で済ませることが出来るのだ。



次に肉体を入れる【器】。



これは磐座が用意してくれたものを、
使用することになった。

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