悠久のシャングリラ

出逢えた世界の片隅で



♡other side♡

終わりも、始まりと同じ
静かに緩やかに迎えた。

ゆっくりと目を開くと、
景色は目を閉じる前とは打って変わっている。

一瞬別の世界に来てしまったかと思うくらい、ステンドグラスは綺麗に消え去っていた。

その代わりというように、
銀色の世界が広がっていた……。

館の中で見た、
淡い色を放つ蛍が心を揺らす。

その景色に心を奪われ、
地に足がついていないような……。

ふわふわとした感覚を味わっていた。


「……咲夢梨……」


隼人が咲夢梨を見るその瞳には、
なんとも言い難い想いが溢れていた。

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