悠久のシャングリラ


「主ちゃんに言われています」


赤い髪の子ーー神籬がそう告げたあと、


「揃ったステンドグラスで、
一つ願いを叶える……と」


言葉を繋げるように、
青い髪の子ーー磐座が続けた。


「願い事はどうしますか?」


みんなが自然と隼人に視線を送る。

どうやら、場の主導権を
隼人に任せるらしい。

一つ息を整える深呼吸を繰り返し、
目を閉じていた隼人が口を開いたーー。


「彼女と、もう一度話がしたい」


もっと別に、
貪欲になる願いもたくさんあった。

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