悠久のシャングリラ


彼女を生き返らせてほしい、とか。


彼女と一緒に元の世界に戻りたい、とか。


過去をもう一度やり直したい、とか。


けれどそれを言わなかったのは、
心のどこかでわかっていたからか。


それともーー。



「本当にそれでいいですか?」



青い髪の子、磐座がそっと
隼人以外の人の顔を見て尋ねる。


彼らは迷うことなく、頷いた。


磐座と神籬は顔を見合わせ、
小さな手のひら同士を重ね合わせる。



「「ーーその願い、聞き届けたりーー」」



その刹那、光が弾ける。

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