悠久のシャングリラ


みんなは自然と、顔を上にあげた。

その光の円型の中を降り立つように、
天使の羽が生えているかのように……。

願ってやまなかった人物が、
ゆっくりと水面に降り立った。


ーーその瞬間。


「わぁっ!」

「おお!」


湖の中に色とりどりの花を閉じ込めたような、思わず感嘆の息を漏らすような……。

そんな幻想的な光景が、
彼らの目の前に広がっていた。


「すっげえ……」


誠斗も口をぽかんと開け、
信じられないといった風に目を見開いている。

瑠璃は景色を見て響くものがあったのか、
声を殺して泣いていた。

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