悠久のシャングリラ
【孤独】に耐えられず、
心半ばで壊れてしまった彼女が今ーー。
ゆっくりとその目を開け、
久しぶりに彼女自身の感情を宿した。
『ーーやっと、逢えたね』
直接脳に語りかけるような、
優しく慈愛に満ちた声。
今の彼女からは、夢で見た、
あの黒い感情は渦巻いていなかった。
『……ふふっ』
ーー会えて嬉しい。
その気持ちが抑えられないとでも言うように、彼女は花が綻ぶような笑顔を見せた。
みんなはゴクリと唾を飲み込む。