悠久のシャングリラ


『隼人。 こっちへ来て』

「…わかった」


けれどその前に、やるべきことがある。

……隼人の腕に取り付いた【魂】を、
彼から引き剥がして、輪廻に戻してあげる。

一緒に現世に帰っては、後々彼の体に悪影響を及ぼすかもしれないから。

私は頭の中に浮かぶ言葉を並べ、
隼人とその魂を引き離したーー。


「うっ……」


その反動か、
隼人は腕を抑えるようにして蹲る。


「隼人!」


一番近くにいた圭介が駆け寄り、支える。

それを見て、
ふと頭に浮かんだことがあった。

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