悠久のシャングリラ
(みんな……ありがとう)
その気持ちは嬉しい。ーーだけど。
『……奈琉』
私は唯一冷静そうな彼に呼びかけた。
名前を呼ばれた奈琉は
全てを承知したように、一つ頷く。
その目にも涙が浮かんでいるが、
私はそれを見なかったことにした。
「隼人!亜紀!
いつまでも咲夢梨に縋りつくな!」
「「!」」
「誠斗と圭介もだ!
いい加減、子供の我儘はよせ!」
「っ」
「子どもって……」
「……瑠璃もだ。
あまり泣いていると咲夢梨が困るだろう」
「……っ、わかって、るわ……」
こういう時、奈琉はとても頼りになる。