悠久のシャングリラ
最後の一人を探しに
「なぁ、百合ちゃん。 なんでオレのことは避けて、睡蓮は平気なんだよぉ」
「鈴蘭、黙って。 話が進まないでしょ」
「そうよ。
うるさい男は、嫌われるわ」
「うぐぐっ……」
さっきからこの調子。
少し会話が進んだと思ったら、
鈴蘭がすぐに話を戻してしまう。
今の、この状況にーー。
「…………」
私の隣に座り、
本の続きを読み進めている睡蓮。
なぜだか気に入られてしまい、
私から離れようとしてくれないのだ。
それが気に入らない鈴蘭が、
ブーイングを飛ばして話を中断させる。
そう、きっとこの状況が駄目なんだ。
どうせなら、せっかくの女の子同士
隣に座りたいもの。
そう思い立ち、
私は腰を上げーーーようとしたのだが。
隣から腕を引っ張られ、
立つに立てない状況になってしまった。