悠久のシャングリラ
来世に想いを馳せる者たち
……そして彼らは、
元の世界に戻ってきた。
その手の中には、思い出の、
あの【本】が開かれている。
彼らは同じタイミングで目を覚まし、
そして、同じ場所にいたーー。
そこは【終焉】を迎えた、あの川。
彼らの時が止まってしまった場所だった。
瑠璃の手には、ユリの花がーー。
そこまで見て、あの不思議な世界に行く前の自分たちを彼らは思い出した。
「そっか……今日は、命日だったね」
「ああ、命日は必ず全員で行くって……
そう約束してたもんな」
「そうだったな。
咲夢梨が悲しくならないように、と
みんなで決めた約束事だった……」