悠久のシャングリラ
(こ、これじゃ動けない……)
無理に引き剥がすのも、
なんだか可哀想な気がするし。
どうしてこんなに懐かれてしまったのか。
理由がわからないだけに、
頭がスッキリしなかった。
あの涙のわけも、
どう聞いていいのかわからない。
(はぁ、仕方ないですね。
ここは大人しくしてましょう……)
そして、進んでいた話を聞くため、
そっちへと意識を集中させた。
「それで、
あと仲間は一人ってことだよね?」
「ああ。 俺たち二人の他に五人。
そのうちの四人は、
百合、桔梗、鈴蘭、睡蓮だからな」
お互いの顔を見渡し、頷きあった。
「鈴蘭、本当にちゃんと探してきたの?」
「探したっつーの!
てか、オレだけじゃなくて睡蓮もいんぞ!」
「睡蓮は何か気づいたことある?」
「…………とくに」
と言ったあと、何かを思い出したように、
ふと顔を上げた。