悠久のシャングリラ
「娘さん、平気か!?」
「いきなり化け物との間に
割り込むんだもんな。 マジで焦ったぜ」
「本当にごめん!
僕が仕留め損なっちゃったから……」
「………怪我は?
………痛いところ、ない………?」
一斉に話しかけられて、
たじろいでしまう。
「わ、私は大丈夫です。
みなさんこそ怪我はないんですか?」
「ああ、かすり傷一つないぞ!」
「本当藤って運動神経がいいよね。
いや、この場合運動神経でいいのかな……」
「オレたちも怪我はねぇよ。 なぁ?」
「うん……」
会話が途切れたのを見計らったように、
子供たちが咳払いを一つした。
「ん? あ、お前たちは……!」
そこでようやくこの子たちがいることに気づいたらしいみんなが、一斉に目を向ける。
「そこの二人は、会うのが二度目ですね」
「他の人は、これが初めての対面ですね」
「あんまり、会いたくもなかったけど、
そうも言っていられないよね……」
「ああ。…あ…そうだ。
お前たちには聞きたいことがーー」