悠久のシャングリラ
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桔梗と書かれたプレートの部屋の
ドアを開けて、中に入る。
「桔梗、ゆっくり休んでくださいね」
「………ええ」
ベッドに寝かせ、
上から毛布をかけてあげた。
「………」
ゆっくりと目を閉じる桔梗。
そんな彼女を見ていると、
少しの罪悪感が胸を締め付けた。
(私が無理に引っ張って、
連れ出してしまったせいで……)
あの時、引っ張っていかなかったら、
こんなことにはならなかったかもしれない。
あんなに嫌だと言っていたのに。
なのに、私はーー。