悠久のシャングリラ
「……百合。 貴方まさか、
自分のせいで、って思ってないわよね?」
「!」
「その顔、図星なのね。 ……まったく」
毛布を少しめくり、桔梗の手が伸びてくる。
かと思ったら、手を優しく握られた。
「……桔梗?」
「貴方は何も悪くないわ。
むしろ、あたしを助けてくれたじゃない」
「……それは……」
「すごく感謝してるのよ。
……でもそれと同時にーー」
桔梗の顔が、泣きそうに歪む。
目に溜まった涙が今にもこぼれ落ちそうで。
私は自分の指で、
そっと彼女の涙を拭ってあげた。
すると、握られた手に更に力がこもる。
離したくない………そう言いたげに。