悠久のシャングリラ
「それと同時にーーーすごく怖かった!
貴方が死んでしまったらどうしよう。
あたしのせいで死んだらどうしようって!」
「………」
悲痛な声。
それがまた、胸を締め付ける。
だから私は、
桔梗の体を毛布の上から包み込んだ。
「……私は生きてます。 怪我もありません。
だから今は安心して、眠ってください」
「……うっ、……ぐすっ……」
彼女の綺麗な顔が、
涙でグシャグシャになる。
その様子がおかしくて、
つい苦笑いが漏れてしまった。
「そんなに泣いたら、
目が赤くなっちゃいますよ」
「……ぐすっ、……いいのよ、別に。
………ねぇ、百合」
「はい、なんですか?」
「ーーあたしが眠るまで、
どこにも行かないで。 ……ここにいて」
「………わかりました。
……ちゃんとここにいます」
安心させるように、ニッコリ微笑む。
桔梗もやっと笑ってくれて、
今度こそ眠ってくれたのだったーー。