悠久のシャングリラ
ステンドグラスの光
「あ、百合ちゃん。
桔梗ちゃんはどうだった?」
階段から降りていると、
下から鈴蘭に声をかけられる。
私はできるだけ明るく答えた。
「ちゃんと眠ってくれました。
しばらく見ていましたが、大丈夫そうです」
「…そっか。 なら、心配いらないね」
みんなが集まるソファーに座り、
話がどこまで進んだのか尋ねると。
「あの子供たちの話は一旦保留ってことで、
まずはステンドグラスの欠片を
集めようって話してたんだ」
「願いを叶えてくれるんでしたよね?」
「もうその話自体嘘くせぇけどなぁ」
「あ、そうだ! 鳳仙。
娘さんにも自己紹介したらどうだ?」
藤が一人の男の人を見る。
ゴタゴタしていて忘れていたけど、
最後の仲間の一人は無事見つかった。
(確かに名前も聞かず、
中座してしまったんでした……)