悠久のシャングリラ
「失礼するよ」
そんなとき、突然ドアが開いたと思ったら、
知らない人が入ってきた。
「誰だ!」
「おい。
仲間はこれで全員じゃなかったのかよ?」
「…………ボクに聞かれても…………」
ザワザワと騒ぎ出す雰囲気など全く無視で、
入ってきた人は腕を組み部屋を見渡していた。
「ここは明るいね。
目がチカチカしてしまうよ」
そう言って、何故か嬉しそうに
ニコニコしているーーーような気がする。
というのも。
廊下に並んでいたであろう
猫のお面をつけているからだ。
「つーか、
どう見ても怪しすぎんだろ、オマエ!」
「おや、どうしてだい?
わたしは怪しい者ではないよ」
「怪しいヤツほど、
そういうって決まってんだ」
「心外だな。
ま、きみたちよりはここに詳しいけどね」
「!」
その一言に、ザワザワした空気が
ぴったりと張り詰めた空気に変わった。