悠久のシャングリラ
強くなりたい
「みなさん、おはようございます」
声をかけると、
既に起きていた桔梗が駆け寄ってきた。
「…百合。 おはよう」
少し照れくさそうに頬を染めながら、
挨拶をしてくれた桔梗。
すると何かを思い出したように、
ポンと手を叩いた。
「あ、そうだわ。
貴方もいい夢が見られた?」
「え……?」
それは、朝の挨拶で聞くことなのか。
疑問に思いながら他のみんなを見渡す。
「実は寝ている時に夢を見てな。
それは多分、昔の自分の記憶じゃないかって、今みんなで話し合っていたんだ!」
「……昔の……自分……?」
確かに夢を見た。
内容が何か聞かれても、
おそらくスラスラと答えられるだろう。
とても幸せそうだった、誰かの夢。