悠久のシャングリラ

強くなりたい



「みなさん、おはようございます」


声をかけると、
既に起きていた桔梗が駆け寄ってきた。


「…百合。 おはよう」


少し照れくさそうに頬を染めながら、
挨拶をしてくれた桔梗。

すると何かを思い出したように、
ポンと手を叩いた。


「あ、そうだわ。
貴方もいい夢が見られた?」

「え……?」


それは、朝の挨拶で聞くことなのか。

疑問に思いながら他のみんなを見渡す。


「実は寝ている時に夢を見てな。
それは多分、昔の自分の記憶じゃないかって、今みんなで話し合っていたんだ!」

「……昔の……自分……?」


確かに夢を見た。

内容が何か聞かれても、
おそらくスラスラと答えられるだろう。

とても幸せそうだった、誰かの夢。

< 57 / 306 >

この作品をシェア

pagetop