悠久のシャングリラ
「あの夢が、昔の私……?」
「やっぱり貴方も見たのね!
どんな夢だったか聞いてもいいかしら?」
桔梗が興味津々に私に詰め寄る。
「えっと、男の人と女の人がいて、
小さな子供を見守っている夢……かな」
簡潔にまとめると、
「やっぱりね」と桔梗が呟いた。
「みんなが幸せな記憶を見れたってこと?」
「………そう、なる……。
ボクも、家族の……記憶だった……多分」
「多分なのかよ!」
「……いや、あの人たちが……
本当にボクの親なのか……自信ない……」
「あー、それは確かに。
自分の名前も出てこなかったし」
「うまい具合に隠されたって感じ」
鳳仙が桜の言葉に付け足すと、
みんながうんうんと頷いたのが見えた。