悠久のシャングリラ


「けどこれも、
ステンドグラスのおかげなのか?」

「多分そうだろう。
全員が全員、夢の中で家族らしい人を
見ているんだからな」

「ならこれからも
ステンドグラスを集めていけば……」


ワクワクが止まらない、と
顔が語っている鈴蘭。

みんなもどこか落ち着きなく、
ソワソワしているのが手に取るようにわかった。


(でも、桔梗は……)


心配になって、桔梗を盗み見る。

けれど私が心配していた様子はなく、
むしろ何かを決意したかのような顔つきだった。


(桔梗……?)


彼女に声をかけようと口を開きかけたが。


「ねぇ、
貴方たちに話があるんだけど……」


それよりも先に、桔梗が話し出した。

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