悠久のシャングリラ


私に教えてくれる教師役は、
藤と桜、それから鳳仙。


「よろしくお願いします! 先生方」

「ははっ、先生か。
なんだか照れくさい呼ばれ方だな」

「うん。 百合、普段通りでいいからね」

「わかりました。 桜」

「始めるよ」


鳳仙の合図とともに、
まずは拳銃を構える。


「もっと背筋を伸ばして。
……腕も、真っ直ぐの方がいい」


言われた通りやっても、
いまいちピンとこず、頭を捻る。


「んー。
ちょっと、ごめん」


鳳仙は私の背後に回ると腕を掴み、
そのまま前方へと持ち上げた。

後ろから私の体を包み込むようにして、
手と手が金属の上で重なる。


(……は、恥ずかしい……)

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